早期発見が治療のポイント

現代、犬猫の病死原因は人間と同様に「がん」がトップになっています。人間の場合、受診のきっかけは何らかの自覚症状によることが多いと思いますが、動物の場合は家族が変化に気付いて初めて受診することになります。つまり人間と比べて発見までの時間が遅れてしまいます。特に体の中や血液の「がん」は発見が遅れがち。そうならないためにも、定期的に健康診断を受けましょう(高齢の動物では年に2回以上)。
また、普段の生活で下記のような症状が動物にあれば、なるべく早く受診しましょう。
がん早期発見のためのチェック項目

■しこり・腫れ・ぐりぐり(リンパ腫・皮膚がん・乳腺がんなど)
■咳・鼻汁・鼻血(鼻腔内腫瘍・肺がんなど)
■元気がない・散歩の途中で座り込む(全てのがんに一般的にみられる症状)
■体重減少(全てのがんに一般的にみられる症状)
■足を引きずる(骨肉腫・軟骨肉腫など)
■慢性的嘔吐、下痢、便秘(胃や腸のがんなど)
■なかなか治らない傷や皮膚病(皮膚がん・リンパ腫など)
■血尿、尿が出にくい(膀胱がんなど)
■極端な性格の変化(脳腫瘍など)
「がん」の診断と検査
【動物の状態を把握するための検査】
●血液検査 ●尿検査 ●レントゲン ●心電図 ●超音波検査(エコー)など
【腫瘍を診断するための検査】
●細胞診 ●病理組織検査 ●内視鏡検査 ●CT/MRI検査など
※例えばこの中で「細胞診」は、動物にとって最も負担が軽く、簡便な検査です。通常はしこりから細胞を採取するだけなので、痛みもなく麻酔も必要ありません。
「がん」の治療

「がん」と診断された時、最も大切なのは家族としてどのような治療を望むかを明確にすることです。
治療法には、「外科手術」「化学療法」「放射線療法」などがありますが、獣医師による説明を受け、がんの状態やそれぞれの治療法、費用についても十分に質問し、話し合いましょう。これから先の治療では、獣医師とのコミュニケーションがとても大切になります。
【外科手術】
できるだけ早期に発見し、がん細胞を取り残さないように切除します。現在転移がなく、発生場所が限られたがんに適しています。
【放射線治療】
皮膚や頭頸部、皮下組織などに発生した局所性がんに効力があります。手術前後などに補助療法としても用います。痛みが著しい時のQOL改善などで使用されることもあります。
【化学療法】
リンパ腫や白血病のような、リンパおよび造血系組織の腫瘍に特に効果があります。さらに手術前後の補助療法、放射線との併用療法として用いられます。
かけがえのない家族のために

がんと診断され、場合によっては完治が難しいと告げられることもあるでしょう。告知後は、今すぐに大事な存在がいなくなってしまうかのような不安な気持ちになるかもしれません。しかし、ペットががんになった時、動物に代ってその告知をしっかり受け止めなければならないのは飼い主です。飼い主の動揺や落胆は、動物にも大きな影響を与えてしまいます。
とても辛く心配でしょうが、告知後、最も大切なのは「これからどう過ごしていくか」です。どうすれば家族と一緒にいる時間を多く持てるのか、どうすれば快適に時間を過ごしていけるのか、ペットにもし苦痛があれば、それを少しでも緩和してあげることができるのかなど、前向きに考えていきましょう。在宅治療や、がんの痛みを和らげるための治療が可能な場合もあります。
獣医師と相談しながら、家族として一番良いと思えることをしてあげましょう。